プロンプトとは
この項目でできるようになること
- プロンプトの基本的な概念を理解し、ChatGPTに適切な指示を出せるようになる
- プロンプトの種類とそれぞれの用途を理解し、目的に応じたプロンプトを作成できるようになる
- プロンプトエンジニアリングの重要性を理解し、効果的なプロンプトを作成するための基礎知識を身につける
プロンプトの定義
プロンプトとは、生成AIに対して与える指示や命令のことを指します。ユーザーがAIに対して入力するテキストであり、AIがそれに基づいて出力を生成します。プロンプトは、AIとのコミュニケーションにおいて非常に重要な役割を果たします。
プロンプトの形式は多岐にわたります。単純な質問や指示から、より複雑で詳細な命令まで、さまざまなバリエーションがあります。例えば、「犬を飼うメリットを教えて」というシンプルなプロンプトを与えると、ChatGPTは犬を飼うことのメリットを列挙してくれます。
同じようなシンプルなプロンプトを自分でも入力してみましょう。
一方、「以下の文章を要約してください」といった指示の後に長文を与えると、ChatGPTはその文章を要約した結果を返してくれます。
こちらも要約して欲しい文章を自分で用意して、プロンプトをChatGPTに入力してみましょう。
プロンプトの役割
プロンプトの与え方によって、AIの出力は大きく変わります。明確で具体的なプロンプトを与えることで、AIはユーザーの意図をより正確に理解し、求められている回答を生成することができます。逆に、曖昧で不明瞭なプロンプトを与えると、AIは的外れな回答をしたり、ユーザーの期待とは異なる出力を生成したりする可能性があります。
したがって、生成AIを効果的に活用するためには、適切なプロンプトを設計することが非常に重要です。この適切なプロンプトを設計する技術は、「プロンプトエンジニアリング」と呼ばれています。プロンプトエンジニアリングでは、タスクに応じて最適なプロンプトを作成し、AIから望む出力を引き出すことを目指します。
プロンプトエンジニアリングにおいては、プロンプトの構成要素を理解することが重要です。一般的に、プロンプトは以下の要素から構成されます。
- 命令:AIに実行してほしいタスクや作業の指示
- 文脈:タスクを実行するために必要な背景情報や補足説明
- 入力データ:タスクに関連する具体的なデータや情報
- 出力形式:AIが生成すべき出力の形式や構造
これらの要素を適切に組み合わせることで、AIに対して明確な指示を与え、求める出力を得ることができます。
プロンプトの種類
また、プロンプトは単純な一文から複雑な段落まで、さまざまな形式を取ることができます。以下に、いくつかの具体例を挙げながら、プロンプトの種類と機能について解説します。
1.単純な命令型プロンプト
例:「猫について100単語で説明してください。」
解説:AIに直接的な命令を与えます。この例では、AIは猫について100単語で説明することが求められています。命令型プロンプトは、明確かつ簡潔であるため、AIにとって理解しやすく、期待通りの出力を得ることができます。
実践課題:単純な命令型プロンプトを入力してみましょう
結果例:
2.質問型プロンプト
例:「光合成のメカニズムを教えてください。」
解説:AIに特定のトピックについて質問するときに使用されます。この例では、ユーザーは光合成のメカニズムについて説明を求めています。AIは、その質問に対する適切な回答を生成します。質問型プロンプトは、ユーザーが特定の情報を必要とする場合に効果的です。
実践課題:質問型プロンプトを入力してみましょう
結果例:
3.タスク型プロンプト
例:「以下の情報を表形式でまとめてください。[ここに情報を入力]」
解説:AIに特定のタスクを実行させ、その結果を特定の形式で出力するように指示するプロンプトです。この例では、AIは与えられた情報を表形式でまとめることが求められています。タスク型プロンプトは、情報を整理したり、特定の形式でアウトプットを生成したりする場合に有効です。
実践課題:タスク型プロンプトを入力してみましょう
結果例:
4.文脈提供型プロンプト
例:「あなたは経験豊富な旅行ガイドです。東京で観光客におすすめの場所を5つ挙げ、それぞれについて簡単に説明してください。」
解説:AIに特定の役割や状況を設定し、その文脈に基づいて出力を生成するように求めます。この例では、AIは経験豊富な旅行ガイドの役割を与えられ、東京の観光スポットを推奨することが求められています。文脈提供型プロンプトは、AIにユーザーが期待する視点からの情報を提供させる場合に有効です。
実践課題:文脈提供型プロンプトを入力してみましょう
結果例:
5.オープンエンドプロンプト
例:「幸福について教えてください。」
解説:AIに特定のトピックについて自由に語らせるものです。この例では、AIは幸福というテーマについて、自らの知識と理解に基づいて自由に論じることができます。オープンエンドプロンプトは、AIの創造性を引き出し、ユーザーが予期しない洞察を得るためによく使われます。
実践課題:オープンエンドプロンプトを入力してみましょう
結果例:
6.マルチステッププロンプト
例:「健康的な食生活を送るための5つのヒントを挙げてください。次に、それぞれのヒントについて、実践するための具体的な方法を2つずつ提案してください。」
解説:複数の指示を順番に与えることで、AIに段階的にタスクを完了させるものです。この例では、まず健康的な食生活のヒントを5つ挙げるように求め、次にそれぞれのヒントを実践するための具体的な方法を提案するように求めています。マルチステッププロンプトは、複雑なタスクを小さなステップに分割することで、AIが体系的に問題に取り組むことを可能にします。
実践課題:マルチステッププロンプトを入力してみましょう
結果例:
7.比較型プロンプト
例:「電気自動車とガソリン車のメリットとデメリットを比較してください。」
解説:AIに2つ以上の事物やアイデアを比較し、それぞれの長所と短所を分析するように求めるものです。この例では、電気自動車とガソリン車の利点と欠点を比較することが求められています。比較型プロンプトは、ユーザーが複数の選択肢を評価し、情報に基づいた決定を下すのに役立ちます。
実践課題:比較型プロンプトを入力してみましょう
結果例:
8.感情表現型プロンプト
例:「悲しみを感じているときに、自分を励ますためのメッセージを書いてください。」
解説:AIに特定の感情を表現したり、感情に関連するコンテンツを生成したりするように求めるものです。この例では、AIは悲しみを感じている人を励ますためのメッセージを作成することが期待されています。感情表現型プロンプトは、共感や情緒的サポートが必要な状況で使用されることが多いです。
実践課題:感情表現型プロンプトを入力してみましょう
結果例:
9.ストーリーテリング型プロンプト
例:「宇宙飛行士になることを夢見る少女の物語を、500単語で書いてください。」
解説:AIに特定のテーマや登場人物を基にして、物語を生成するように求めるものです。この例では、宇宙飛行士を目指す少女の物語を500単語で書くことが求められています。ストーリーテリング型プロンプトは、創造的なライティングやエンターテイメントを目的とする場合に使用されます。
実践課題:ストーリーテリング型プロンプトを入力してみましょう
結果例:
まとめ
プロンプトは、AIと対話するための重要な手段であり、その質によってAIの出力結果が大きく変わります。プロンプトエンジニアリングは、AIを使いこなす上で必須のスキルであり、効果的なプロンプトを作成するための様々なテクニックが存在します。
この章で学んだ基本的な概念を踏まえ、プロンプトエンジニアリングのスキルをさらに磨いていきましょう。