【ChatGPTを活用しよう】プロンプトエンジニア入門講座
レッスン内容

この項目でできるようになること

  • ChatGPTを活用して、ビジネスシーンで必要なメール、報告書、企画書を効率的に作成できるようになる。
  • 目的に応じた適切な件名、本文、構成を考えられるようになる。
  • 事実と意見を区別し、客観的で説得力のある文章を作成できるようになる。
  • 魅力的なタイトルや導入文を考え、読者の興味を引くことができるようになる。
  • 論理的な構成と説得力のある表現で、企画内容を効果的に伝えられるようになる。
  • ChatGPTの出力結果を参考に、より洗練された文章を作成できるようになる。

ビジネスシーンでは、メール、報告書、企画書など、様々な種類の文章を作成する必要があります。これらの文章は、相手に情報を正確に伝え、理解を深め、行動を促すために重要な役割を果たします。

ChatGPTを活用することで、これらのビジネス文章をより効率的かつ効果的に作成することができます。ChatGPTは、文章のドラフト作成、表現の改善、アイデアの創出など、様々な場面でサポートを提供してくれます。

この章では、ChatGPTを使って、メール、報告書、企画書を作成するための実践的なテクニックを学びます。それぞれの文章の目的、構成、表現方法などを理解し、具体的な事例を通して実践的なスキルを習得しましょう。

1. メール作成

メール作成の基礎知識

ここではChatGPTを使ったビジネスメールの作成方法を学びます。

メールは、ビジネスコミュニケーションにおいて最も頻繁に使われるツールの一つです。ChatGPTでメール生成ができれば日々の業務効率は大きく改善します。
相手に失礼のない、分かりやすいメールを作成するポイントについて解説していきます。

メール作成のポイント

役割指定

  • 「あなたは営業部のカスタマーサポート担当者です。顧客に対応するメールを作成してください。」など役割の指定を行います。

明確な目的を持つ

  • メールの主題や要件をはっきりと伝えることが重要です。メールの冒頭で目的を述べると良いでしょう。

適切なトーンとスタイル

  • フォーマルなトーンを保つ:ビジネスメールでは、敬意を持ったフォーマルなトーンが基本です。敬語や丁寧な表現を使用しましょう。
  • 一貫したスタイル:メール全体で一貫した文体と形式を保ちます。突然の文体の変更やカジュアルすぎる表現は避けます。

件名

「具体的に」「簡潔に」「緊急性」を伝えられる件名にします。要点を押さえた件名をつけ、受信者がメールを一目で理解できるようにしましょう。

また、スパムやフィッシングメールと誤解されないように配慮しましょう。

良い例:

  • 【重要】〇〇プロジェクト進捗報告(2024年6月10日)
  • △△様 ご相談のお願い
  • 【返信希望】□□会議 日程調整のお願い

悪い例:

  • 先日のお打合せはありがとうございました
  • △△△△株式会社の□□です
  • 8月7日の○○○○催事場におけるプレゼンテーションに際して、各位の出席確認と紙資料が必要かどうかのご確認

メール本文の構成

挨拶

適切な敬称と挨拶を用います。

  • 例:「お世話になっております。株式会社〇〇の△△です。」

本文

明確な段落分けで内容を整理し、以下のように文章を読みやすくします。

  • 結論を最初に述べ、簡潔に、丁寧な言葉遣いで書く。
  • 箇条書きや番号を振るなど、読みやすいように工夫する。
  • 重要な部分を太字にするなど、強調したい箇所を明確にする。

明確なアクションを示す

受信者が次に何をすべきかを明確にします。

  • 例:「ご確認いただけましたら、6月10日までにご返信をお願いいたします。」

締めの挨拶

丁寧な締めの挨拶でメールを終えます。

  • 例:「ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。」「何卒、よろしくお願いいたします。」

署名

自分の名前、所属、連絡先を必ず記載します。

段階的な指示


  • 以下の形式でメールを作成してください。
    1. 挨拶(例:お世話になっております)
    2. 主題(例:お問合せいただいた件について)
    3. 内容(例:確認したところ、お問い合わせいただいた商品は〇〇です)
    4. アクションのお願い(例:内容に問題がなければ〇日までにご返信ください)
    5. 締め(例:ご確認のほど、よろしくお願いいたします)

表現

敬語と丁寧語

適切な敬語や丁寧語を使用します。

  • 例:「恐れ入りますが」や「ご多忙のところ」など

定型文の活用

ビジネスメールでよく使われるフレーズを使用して、プロフェッショナルな印象を与えます。

返信メールの注意点

  • 返信メールは相手のメールを引用し、回答箇所を明確にしましょう。
  • 返信が遅れる場合は、お詫びと理由を伝えましょう。
  • 返信不要な場合は、**「本メールへの返信は不要です」**と記載しましょう。

ChatGPTを活用したメール作成

ChatGPTは、メール作成においても強力なサポートツールとなります。例えば、以下のような場面で活用できます。

文章のドラフト作成

伝えたい内容を箇条書きで入力し、ChatGPTに文章化してもらいます。

表現の改善

ChatGPTに文章を入力し、より丁寧な表現や分かりやすい言い回しを提案してもらいます。

アイデアの創出

伝えたい内容をChatGPTに入力し、より効果的な表現方法や構成を提案してもらいます。

注意点

出力された文章をそのまま使うのではなく、必ず内容を確認して必要に応じて修正を加えましょう。

カスタム設定

メール作成において、トーンやスタイルを一定に保つためのカスタム設定を推奨します。

  • :「あなたは常にフォーマルな文体を使い、必要に応じて適切な敬語を使用してください。また、挨拶から始めて、結論や要点を簡潔に述べ、締めの挨拶で終わる構成を保つようにしてください。」

カスタム設定例

各メールの種類(例:報告、確認依頼、謝罪など)に応じたカスタム設定例を追加します。

  • デフォルト設定例:「営業部のサポート担当者として、フォーマルで簡潔な文体を使用し、要件が明確に伝わるようにしてください。」
  • 定型文の設定例:よく使う定型表現やフレーズ(例:ご多忙のところ恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます)を、カスタム設定で保存し、毎回のプロンプトで指定せずに使用できるようにします。

2. メール作成の実践課題:顧客への問い合わせ対応

問題

あなたはECサイトのカスタマーサポート担当者です。顧客から、注文した商品が届かないという問い合わせメールが届きました。ChatGPTを使って返信メールを作成してみましょう。

役割や要件、正確な情報を伝えてメールの下書きを作成してもらいましょう。

解答例

プロンプト例:

あなたはECサイトのカスタマーサポート担当者です。以下の内容で顧客に返信メールを作成してください。

– 顧客名:山田太郎様

– 注文番号:123456

– 注文商品:〇〇

– 注文日:2024年6月1日

– 問い合わせ内容:注文した商品がまだ届かない。

出力例:

3. 報告書作成

報告書は、業務の進捗状況や結果、調査結果などをまとめた文書です。報告書は、上司や関係者に対して情報を共有し、今後の意思決定に役立てるために作成されます。そのため、客観的で正確な情報を、分かりやすく伝えることが重要です。

報告書作成のポイント

役割指定

  • 「あなたはマーケティングチームのプロジェクトリーダーです。上司向けのキャンペーン報告書を作成してください。」など役割の指定を行います。

目的を明確にする:

報告書の目的を明確にし、誰に何を伝えるのかを意識します。例えば以下のような例が挙げられます。

  • 上司にプロジェクトの進捗状況を報告する
  • 顧客に調査結果を報告する」「社内に新しい制度を提案する

構成を考える:

報告書の内容に応じて、適切な構成を考えます。以下が一般的な報告書の構成です。

  • 概要(要約)
  • 背景・目的
  • 方法
  • 結果
  • 考察
  • 結論
  • 提言(ある場合)

事実と意見を区別する:

事実には客観的なデータや証拠を、意見には自身の見解や解釈を述べます。

  • 事実の例:「売上高は前年比120%を達成した。」
  • 意見の例:「今回のキャンペーンは、ターゲット層のニーズに合致していたと考えられる。」

図表を活用する:

情報を分かりやすく伝えるためには図表を活用し、適切なタイトルと説明を付けます。

簡潔で分かりやすい表現を使う:

難しい専門用語や長文は避け、簡潔で分かりやすい表現を使用します。また、箇条書きや番号を振るなど、読みやすいように工夫します。

段階的な指示

報告書の内容をステップごとに指示し、ChatGPTが回答しやすいようにします。


  • :「キャンペーンの目的と概要を簡潔に述べてください。次に実施内容を列挙し、結果と課題、最後に次の計画案を述べてください。」

ChatGPTを活用した報告書作成

ChatGPTは、報告書作成においても様々な場面で活用できます。例えば、以下のような場面で活用できます。

文章のドラフト作成:

箇条書きでまとめた内容をChatGPTに入力し、文章化してもらいます。以下は箇条書きの例です。

  • プロジェクト名:〇〇プロジェクト
  • 期間:2024年4月1日〜6月10日
  • 目的:〇〇システムの開発
  • 実施内容:要件定義、設計、開発、テスト
  • 結果:システムを予定通りリリース

表現の改善:

ChatGPTに文章を入力し、より客観的な表現や専門的な言い回しを提案してもらいます。

要約の作成:

長文の報告書をChatGPTに入力し、要約を作成してもらいます。

注意点:

ChatGPTが出力した内容は、必ずしも正確であるとは限りません。特に数値データや専門用語については、必ず内容を確認して必要に応じて修正を加えましょう。

カスタム設定

報告書作成時に適切なトーンと構成を維持するため、カスタム設定で全体のスタイルやトーンを定義することを推奨します。

カスタム設定例:

「あなたはマーケティングチームのプロジェクトリーダーで、上司に提出するためのフォーマルかつ簡潔な報告書を作成してください。挨拶文、目的、実施内容、結果、今後の提案の5つのセクションで構成してください。」

メモリ機能

定期的に作成する報告書においては、プロジェクトの進捗や結果をメモリ機能に保存し、次回の報告書作成時に役立てるようにします。

メモリ活用例:

「メモリに次の内容を保存してください。1. プロジェクト名:〇〇、2. 実施期間、3. 各段階の進捗状況」

4. 報告書作成の実践課題:キャンペーン実施報告書の作成

問題

あなたはマーケティング担当者です。以下の情報を元に、ChatGPTを使って業務報告書を作成してみましょう。

  • プロジェクト名:新商品Aの販売促進キャンペーン
  • 期間:2024年5月1日〜5月31日
  • 目的:新商品Aの認知度向上と販売促進
  • 実施内容:SNS広告、Web広告、店頭プロモーション
  • 結果:
    • 新商品Aの売上は前年同月比150%を達成
    • Webサイトへのアクセス数は前月比200%を達成
    • SNSでのエンゲージメント率は前月比150%を達成
  • 課題:
    • 広告費用が予算をオーバー
    • 店頭プロモーションの効果測定が不十分
  • 今後の計画:
    • 広告費用を見直し、効果的な広告戦略を検討
    • 店頭プロモーションの効果測定方法を改善

解答例

プロンプト例:

あなたはマーケティング担当者です。以下の情報を元に、業務報告書を作成してください。

[内容を箇条書きで入力]

出力例:

5. 企画書作成

企画書は、新しいアイデアやプロジェクトを提案し、関係者の承認を得るために作成する文書です。企画書は、論理的な構成と説得力のある表現で、企画の意義や実現可能性を伝えることが求められます。

企画書作成のポイント

役割指定

「あなたは新商品開発チームのリーダーとして、上層部にプレゼンするための企画書を作成してください。」など役割の指定を行います

目的を明確にする:

企画書の目的を明確にし、誰に何を提案するのかを意識します。例えば以下のような例が挙げられます。

  • 新商品の開発を提案する
  • 新しいマーケティング戦略を提案する
  • 社内イベントの開催を提案する

構成を考える:

企画書の内容に応じて、適切な構成を考えます。以下が一般的な企画書の構成です

  • タイトル
  • 導入
  • 背景・目的
  • ターゲット
  • 企画内容
  • 実施計画
  • 予算
  • 効果測定
  • まとめ

魅力的なタイトルと導入にする:

タイトルは企画内容を端的に表し、興味を引くものにします。また、導入では問題提起や解決策の提示などを行い、読者の関心を惹きつけます。

論理的な構成と説得力のある表現にする:

企画の意義や実現可能性を、論理的な構成と説得力のある表現で伝えます。その際にはデータや根拠を提示し、客観的な視点で説明します。必要に応じて、図表やイラストを活用するのも良いでしょう。

ターゲットを意識する:

誰に向けて企画を提案するのかを意識し、ターゲット層に合わせた内容や表現にする。

実現可能な計画を立てる:

企画の実施計画は、具体的かつ実現可能なものにし、予算・スケジュール・担当者などを明確にしましょう。

効果測定方法を明確にする:

企画の効果を測定する方法を事前に検討し、企画書に記載しましょう。その際には定量的な指標だけでなく、定性的な指標も活用しましょう。

段階的な指示

企画書の各セクションを段階的に指示することで、企画内容が整理された出力が得られるようにします。

  • :「1. タイトルと目的を明確に述べる、2. 背景とターゲット層を説明する、3. 実施計画を具体的に示す、4. 予算と効果測定方法を述べる。」

ChatGPTを活用した企画書作成

ChatGPTは、企画書作成においても様々な場面で活用できます。例えば、以下のような場面で活用できます。

アイデア出し:

企画のテーマやキーワードを入力し、ChatGPTに関連するアイデアや情報を提案してもらいます。

文章のドラフト作成:

箇条書きでまとめた企画内容をChatGPTに入力し、文章化してもらいます。

表現の改善:

ChatGPTに文章を入力し、より説得力のある表現や分かりやすい言い回しを提案してもらいます。

プレゼンテーション資料の作成:

企画書の内容を元に、ChatGPTにプレゼンテーション資料の構成やスライド案を作成してもらいます。

カスタム設定

プロジェクトの企画書に対し、統一されたトーンや構成を保持するため、カスタム設定を活用することを推奨します。

カスタム設定例

「あなたは新商品開発チームの企画担当者です。ターゲット層に関するセクションで、必ず50文字以内で簡潔に概要を述べ、製品の強みは箇条書きで明確に記載してください。」

6. 企画書作成の実践課題:新商品企画書の作成

問題

あなたは食品メーカーの企画担当者です。以下の情報を元に、ChatGPTを使って新商品企画書を作成してみましょう。

  • ターゲット:30代〜40代の健康志向の女性
  • 商品カテゴリー:冷凍食品
  • コンセプト:手軽に栄養バランスの取れた食事ができる
  • 強み:
    • 管理栄養士監修のレシピ
    • 国産野菜を100%使用
    • 添加物不使用
  • 課題:
    • 冷凍食品のイメージ(味が落ちる、栄養価が低い)
    • 競合が多い
  • 対策:
    • インフルエンサーとのコラボレーション
    • 無料試食イベントの実施
    • Webサイトでのレシピ紹介

解答例

プロンプト例:

あなたは食品メーカーの企画担当者です。以下の情報を元に、新商品企画書を作成してください。

[内容を箇条書きで入力]

出力例:

まとめ

この章では、ChatGPTを活用してビジネスシーンで必要なメール、報告書、企画書を作成するための実践的なテクニックを学びました。それぞれの文章の目的、構成、表現方法などを理解し、具体的な事例を通して実践的なスキルを習得できたかと思います。

ChatGPTは、文章作成の効率化だけでなく、アイデア出しや表現の改善にも役立ちます。ぜひ、ChatGPTを活用して、より効果的なビジネス文章を作成し、あなたのビジネスを成功に導いてください。